コラム
運動が善玉コレステロールを増やしていた。HDLを上げる食事と運動の科学栄養基礎知識

運動が善玉コレステロールを増やしていた。HDLを上げる食事と運動の科学

有酸素運動を週150分続けると3〜6ヶ月でHDLコレステロールが平均3〜5mg/dL上昇することがメタアナリシスで確認されている。不飽和脂肪酸の摂取・禁煙・精製糖質の削減も善玉コレステロールを増やす有効な手段。

diet-app.jp 編集部·2026-05-12·6分で読める

有酸素運動を週150分続けると3〜6ヶ月でHDLコレステロールが平均3〜5mg/dL上昇することがメタアナリシスで確認されている。不飽和脂肪酸の摂取・禁煙・精製糖質の削減も善玉コレステロールを増やす有効な手段。

「LDLを下げる」より「HDLを上げる」が重要な理由

コレステロール改善というと「LDL(悪玉)を下げる」ことに注目されがちですが、HDL(善玉)コレステロールが低いことも心疾患リスクを独立して高めることが確認されています。

HDLは全身の細胞・動脈壁に蓄積した余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ「逆転送」の役割を担います。HDLが高い人は同じLDL値でも心疾患リスクが低くなります。

HDLを効果的に上げる方法

①有酸素運動(最も確実)

HDLを上げる最も証拠が強い生活習慣は有酸素運動です。Manoharら(*Sports Medicine*, 2018)のメタアナリシスでは、継続的な有酸素運動でHDLが平均3〜5mg/dL上昇することが確認されています。

特に中強度(最大心拍数の60〜70%)での持続的な運動が最も効果的です。週150分の中強度有酸素運動を続けることで、3〜6ヶ月でHDLが改善します。

②不飽和脂肪酸を摂る

オリーブオイル(オレイン酸)・ナッツ(オレイン酸・αリノレン酸)・アボカドなど不飽和脂肪酸を多く含む食品は、LDLを下げながらHDLを維持または上昇させます。

逆に飽和脂肪酸の過剰摂取はHDLを下げる可能性があります。

③タバコをやめる

喫煙はHDLを有意に低下させます。禁煙後3〜6ヶ月でHDLが上昇することが確認されています。

④アルコールの少量摂取

1日1〜2杯の適量のアルコール摂取がHDLを上げることが観察研究で示されています(ただしこれは飲まない人が飲み始める推奨ではなく、既に飲む習慣がある人への補足情報です)。

⑤精製糖質・トランス脂肪酸を避ける

精製糖質の過剰摂取とトランス脂肪酸はHDLを低下させます。砂糖飲料・加工食品を減らすことがHDL維持に重要です。

HDLの目標値はどれくらいか

日本動脈硬化学会ガイドラインでは:

  • 40mg/dL未満:低HDLコレステロール血症(リスク)
  • 60mg/dL以上:望ましい
  • 理想的には男性45mg/dL以上、女性50mg/dL以上

よくある質問

Q. HDLが低いとどれくらい心疾患リスクが高まりますか?

A. HDLが40mg/dL未満(低HDLコレステロール血症)は独立したリスク因子で、同じLDL値でも心疾患リスクが有意に高くなります。HDLを60mg/dL以上に保つことで心血管保護効果が高まります。

Q. どの有酸素運動がHDLを最も上げますか?

A. 中強度(最大心拍数の60〜70%)の持続的な有酸素運動が最も効果的です。ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリングなど何でもよく、週150分を3〜6ヶ月続けることでHDLが3〜5mg/dL上昇します。

Q. 食事だけでHDLを上げることはできますか?

A. 食事のみでHDLを劇的に上げることは難しいですが、オリーブオイル・ナッツ・アボカドなど不飽和脂肪酸の摂取と、精製糖質・トランス脂肪酸の削減によってHDLを維持・微上昇させることができます。禁煙も大きな効果があります。

この記事のまとめ

  • 週150分の中強度有酸素運動を3〜6ヶ月続けることでHDLコレステロールが平均3〜5mg/dL上昇する
  • HDLを上げるには有酸素運動が最も効果的で、不飽和脂肪酸の摂取と精製糖質の削減が食事面での基本
  • HDLが60mg/dL以上になると心血管保護効果が高まり、同じLDL値でも心疾患リスクが低下する

参考文献

  • Manohar, C. et al. (2018). The effect of exercise modality on the exercise-induced rise in HDL-cholesterol. *Sports Medicine*, 48(6), 1319–1329.
  • 日本動脈硬化学会(2022). 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.

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※ 本記事の情報は一般的な健康・栄養知識の提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。 持病や治療中の方は、必ず医師・専門家にご相談ください。 本記事は編集ポリシーに基づき、一次情報と照合のうえ制作しています。

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