中性脂肪が高い原因はお酒だけではありません。果糖・精製糖質が肝臓でLDLより小型の超低密度リポタンパク(VLDL)として中性脂肪に変換されます。飲酒なしでも中性脂肪が高い人向けの食事改善法を解説します。
「中性脂肪が高い」と言われたとき多くの人が誤解することとは何か
健診で中性脂肪(トリグリセリド:TG)が高いと指摘されると、「お酒を控えなきゃ」と思う人がほとんどです。確かにアルコールは中性脂肪を上げますが、実はお酒を飲まない人でも中性脂肪は高くなります。
中性脂肪を上げる最大の原因は、多くの日本人にとってアルコールより精製糖質と果糖です。
中性脂肪とは何か
中性脂肪(TG)は血液中を循環する脂肪の一種で、余ったエネルギーを脂肪細胞に運ぶ役割を持ちます。食事から摂取した糖質・脂質・アルコールを肝臓が中性脂肪に変換し、エネルギーが過剰なときに増加します。
| 基準値 | 数値 |
|---|---|
| 正常 | 150mg/dL未満 |
| 境界域 | 150〜199mg/dL |
| 高TG血症 | 200mg/dL以上 |
中性脂肪を上げる3つの主犯とは何か
①精製糖質・砂糖:白米・パン・砂糖・菓子類を大量に摂ると、肝臓で余剰糖質が中性脂肪に変換されます(脂質新生)。
②果糖(フルクトース):果糖は小腸でほぼ吸収されずに肝臓に直接届き、脂質新生を強く刺激します。100%果汁ジュース・はちみつ・果物の大量摂取が中性脂肪を急上昇させます。
③アルコール:アルコールは肝臓での脂質新生を促進し、中性脂肪を上げます。ただし少量〜中量の飲酒ではHDLコレステロールを上げる効果もあり、影響は量によって異なります。
EPAが中性脂肪を大幅に下げるのはなぜか
青魚に含まれるEPA・DHA(オメガ3脂肪酸)は、中性脂肪を低下させる最も証拠が強い成分です。
Jacobsonら(*Journal of Clinical Lipidology*, 2012)のメタアナリシスでは、EPA/DHAの高用量摂取(1日2〜4g)で中性脂肪が25〜45%低下することが確認されています。
食事では、サバ・イワシ・サンマ・マグロ(赤身)などを週3〜4回食べることで一定量のEPA/DHAを摂取できます。
中性脂肪を下げるにはどんな食事改善をすればよいのか
減らすもの:
- 白米・パン・麺類(量を減らす、玄米に切り替える)
- 100%果汁ジュース・加糖飲料(果糖が直接的に中性脂肪を増やす)
- お菓子・甘いもの
増やすもの:
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ)を週3回以上
- 食物繊維(野菜・海藻・豆類)
- タンパク質(筋肉量維持で代謝改善)
まとめ
中性脂肪を上げる本当の主犯は、お酒よりも精製糖質・果糖です。健診で指摘されたら、まず白米の量を減らし、果汁ジュースをやめ、青魚を週3〜4回食べることから始めてください。
参考文献
- Jacobson, T. A. et al. (2012). Omega-3 fatty acids for cardiovascular disease: updating recommendations. *Journal of Clinical Lipidology*, 6(5), 493.
- Lustig, R. H. et al. (2012). The toxic truth about sugar. *Nature*, 482(7383), 27–29.
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よくある質問
Q. お酒を飲まないのに中性脂肪が高いのはなぜですか?
A. 果糖(果汁・清涼飲料・砂糖)と精製糖質(白米・パン・菓子)が肝臓でVLDLとして中性脂肪に変換されます。アルコールを飲まなくてもこれらを多く摂れば中性脂肪は上昇します。
Q. 中性脂肪を下げるために最初に何をすればいいですか?
A. 100%果汁ジュースと加糖飲料をやめることが最も即効性があります。次に白米の量を減らし玄米に切り替え青魚(サバ・イワシ)を週3回以上食べることで1〜3ヶ月で改善が見られます。
Q. 中性脂肪の正常値はいくつですか?
A. 空腹時中性脂肪の正常値は150mg/dL未満です(150〜199mg/dL:境界域、200mg/dL以上:高値)。食後に測定すると値が高くなるため空腹時(8時間以上絶食)の検査値で判断します。
この記事のまとめ
- 中性脂肪を上げる本当の主犯はお酒より精製糖質と果糖(果汁・砂糖飲料)です
- 果糖は肝臓でVLDLとして中性脂肪に変換されお酒を飲まない人でも高中性脂肪になります
- 果汁ジュースをやめ白米の量を減らし青魚を週3〜4回食べることが最も効果的な改善策です
- オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)はTGAT(中性脂肪合成酵素)を阻害し中性脂肪を低下させます