テレワーク移行後に体重が増えた人の多くは、通勤だけで消費していた1日200〜400kcalを意識していなかった。在宅勤務では冷蔵庫が近い・間食が増えやすい・座り時間が8〜10時間に延びるという3つの要因が重なり、週1〜2kgペースで体重が増えることもある。
テレワーク後に体重が増えた人が急増
コロナ禍以降、テレワークが普及しましたが、同時に「在宅太り」が社会問題になりました。厚生労働省の調査でも、テレワーク導入後に体重が増加したと回答した人が多く見られました。「家にいるのに何でこんなに太るんだろう」と感じるアラサー世代が急増しています。その答えはテレワークの生活構造そのものにあります。
なぜテレワーク太りの5つが起きるのか
原因1:通勤がなくなり歩かなくなった
通勤だけで1日2,000〜4,000歩を消費していた方も多いはず。テレワークではこれがゼロになります。
1日2,000歩の差による影響:
- 消費カロリーの差:約80kcal/日
- 1ヶ月(20日)で:1,600kcal = 脂肪約220g相当
- 1年で:約2.6kgの体重増加要因に
歩かなくなった分だけでなく、日常の「立つ・動く」機会が全体的に減少することも大きな問題です。通勤中の電車内での立位・駅の階段・会社内の移動などが完全になくなります。
原因2:冷蔵庫が常に近くにある
オフィスでは「お菓子を食べるためにコンビニに行く」一手間がありましたが、在宅では冷蔵庫・パントリーが常に目の前。心理学の研究では、食品が視界に入ったり手の届く場所にあるだけで摂取量が増えることが示されています(食環境デザインの影響)。
原因3:食事と仕事の境界があいまい
「ながら食い」「デスクで昼食」が増え、食事への集中度が下がります。集中せずに食べると満腹感を感じにくく、食べすぎにつながります。また、仕事の区切りがつかず「何となく食べ続ける」ダラダラ食いも発生しやすくなります。
原因4:日光を浴びる時間の減少
日光を浴びることは体内時計のリセット・セロトニン分泌(食欲・気分の安定)に重要です。在宅で日中外に出ない日が続くと:
- 体内時計がズレて夜型生活に
- セロトニン低下で甘いもの・炭水化物への欲求増加
- 睡眠の質が低下し、翌日の食欲増進につながる
原因5:座位時間の大幅増加
テレワーク導入後、1日の座位時間が平均2〜3時間増えたという調査があります。座りっぱなしは単に「運動していない」だけでなく、代謝を積極的に低下させます。英国の研究(Biswas 2015)では、座位時間が長い人は死亡リスク・糖尿病リスクが高く、これは運動習慣の有無に関わらず影響するとされています。
テレワーク太りを防ぐにはどうすればよいのか:6つの習慣
対策1:仮想通勤を作る
始業前に15〜20分のウォーキングを「通勤代わり」に習慣化します。体内時計のリセット・代謝向上・気分転換の一石三鳥です。終業後にも「退勤ウォーキング」として10〜15分歩くと、仕事とプライベートの切り替えにもなります。
「ウォーキング時間が取れない」という方は、ウォーキングダイエットの効果で紹介する「10分×3回に分割」する方法も有効です。
対策2:間食を「見えない場所」に移動する
お菓子・スナックを目につかない場所に収納します。視覚的に見えると食べたくなる「視覚誘発性食欲」を防ぎます。
- 収納の奥にしまう、上段の棚に入れる
- 「食べたい」と思ったら一度立ち上がって取りに行く(一手間で衝動を抑制)
- 代わりに水・無糖のお茶をデスクに置く
- ナッツ・ゆで卵など高タンパクの間食を準備しておく
対策3:ランチの「食事ルール」を設ける
デスクで食べず、キッチンのテーブルや別の部屋で食べることで、食事に集中できます。
テレワーク中の食事ルール例:
- 昼食は必ずデスクから離れた場所で食べる
- 食事中はスマホ・PCの画面を閉じる
- 最低15分はかけてゆっくり食べる
- 食後は5分間の軽いストレッチを行う
対策4:「座位タイマー」を設定する
タイマーを45分〜1時間ごとに設定し、アラームが鳴ったら必ず立ち上がります。立ったついでに行うこと:
- スクワット5〜10回
- かかと上げ(その場で)
- 肩まわし・首まわし
- キッチンまで水を飲みに行く
長時間座り続けることでデスクワークの代謝低下が起きます。1時間以内に1回立つだけで大きな改善になります。
対策5:スタンディングデスクまたは高さ調整アイテムの活用
立って仕事をすることで、座り仕事と比べて1時間あたり約50kcal多く消費されるという研究もあります。完全なスタンディングデスクでなくても:
- 段ボール箱やスタンドを活用して簡易スタンディングデスクを作る
- 「午前はスタンディング、午後は座位」などルール化する
- 電話会議中は立って話す
対策6:昼休みの「外出習慣」を作る
昼休み30分のうち20〜25分をウォーキングに使います。日光を浴びることでセロトニン分泌を促し、午後の眠気・集中力低下を防ぐ効果もあります。
在宅での簡単エクササイズルーティン
仕事の合間にできる「デスクブレイク運動」を習慣化しましょう。
朝のウォームアップ(5分)
- ダイナミックストレッチ(脚・腰まわり)
- 肩甲骨まわし10回×左右
- スクワット10回
昼の運動(10〜15分)
- ウォーキング(外出が理想)
- または室内踏み台昇降・縄跳び
仕事の合間(各1〜2分)
- スクワット10回(立ったついでに)
- プランク20〜30秒
- かかと上げ20回(椅子に座りながら)
- 廊下の往復歩行
夕方のストレッチ(5分)
- デスクワークで縮んだ股関節・胸・肩のストレッチ
- 深呼吸(副交感神経を優位にして食欲暴走を防ぐ)
テレワーク中の食事管理
昼食の質を上げる
テレワーク中は自炊しやすいメリットもあります。コンビニ弁当より自炊の方が、タンパク質・野菜の量を調整しやすく、添加物・塩分も抑えられます。
テレワーク向けおすすめ昼食例:
- 卵・鶏肉などのタンパク質+たっぷり野菜+少量の主食
- 具だくさんの味噌汁+ごはん少量+豆腐や魚
- サラダチキン+サラダ+玄米おにぎり
「ながら食い」を意識的に排除する
食事中は作業しない、画面を見ないという「マインドフルイーティング」の実践が、在宅太り解消の重要な習慣です。食事に集中することで満腹感が得られやすくなり、過食を防げます。
テレワーク太りのチェックリスト
□ 1日の歩数が3,000歩未満になっていないか
□ 間食が1日3回以上になっていないか
□ 昼食をデスクで食べていないか
□ 日中一度も外に出ない日が続いていないか
□ 1時間以上連続して座り続けていないか
2つ以上当てはまる場合は、今日から改善に取り組みましょう。
この記事のまとめ
- テレワーク導入後に体重が増えたアラサーが急増。通勤ゼロ・スナッキング・座りっぱなしが重なる在宅太りのメカニズムと対策を解説。
- テレワーク導入後、1日の座位時間が平均2〜3時間増えたという調査があります。
- 終業後にも「退勤ウォーキング」として10〜15分歩くと、仕事とプライベートの切り替えにもなります。
- キング時間が取れない」という方は、ウォーキングダイエットの効果で紹介する「10分×3回に分割」する方法も有効です。
参考資料
- 厚生労働省「テレワーク導入後の健康管理」
- Biswas A et al. "Sedentary time and its association with risk for disease incidence, mortality, and hospitalization" Ann Intern Med (2015)
- 国立健康・栄養研究所「身体活動・座位行動の健康への影響」
- Dunstan DW et al. "Breaking up prolonged sitting reduces postprandial glucose and insulin responses" Diabetes Care (2012)
Q. テレワーク中に消費カロリーはどれくらい減りますか?
A. 通勤(往復1時間歩行)がなくなるだけで1日200〜400kcalの消費減になります。さらに社内移動・階段利用もなくなり、合計では1日500kcal以上減る方も。これが蓄積すると月1〜2kgの体重増加につながります。意識的に「立ち仕事タイム」「室内ウォーキング」を作ることで補えます。
Q. テレワーク中に間食を止めるにはどうすれば良いですか?
A. 最も効果的なのは「手の届くところに菓子類を置かない」環境設計です。お菓子は買い置きせず、食べたい時だけコンビニに行くルールにするだけで間食量が大幅に減ります。また食事の時間を決めて「食事以外の時間は食べない」という明確なルールを作ることも有効です。
Q. デスクワーク中に代謝を上げる簡単な方法はありますか?
A. 1時間ごとに5分立って軽いストレッチをするだけで、長時間座位による代謝低下を防げます。また「スタンディングデスク」の活用、電話中は立って話す、トイレは遠い場所を使うなどの工夫で、日常の活動量(NEAT)を増やせます。これらだけで1日100〜200kcalの消費増が期待できます。