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スタンフォードが証明した。脂肪を最も食べたグループが4種のダイエットで最も痩せた結果

スタンフォードが証明した。脂肪を最も食べたグループが4種のダイエットで最も痩せた結果

脂肪を最も多く食べたアトキンス食グループが4種のダイエットで最も体重を減らした(-4.7kg)。スタンフォード大学がJAMAに発表したA TO Z研究(311人・12か月)は、低脂肪食が最善という医学界の常識を根底から覆した重要な研究だ。

diet-app.jp 編集部·2026-08-22·更新日 2026-08-28·8分で読める

脂肪を最も多く食べたアトキンス食グループが4種のダイエットで最も体重を減らした(-4.7kg)。スタンフォード大学がJAMAに発表したA TO Z研究(311人・12か月)は、低脂肪食が最善という医学界の常識を根底から覆した重要な研究だ。

脂肪を最も多く食べたアトキンス食のグループが、4種のダイエットのなかで最も体重を減らした。2007年にスタンフォード大学がJAMAに発表したA TO Z研究が示した事実は、当時の医学的常識を大きく揺さぶるものでした。

スタンフォード大学「A TO Z研究」とは何か

A TO Z研究(Gardner et al., JAMA, 2007)は、スタンフォード大学予防研究センターのChristopher Gardner教授らが行った無作為化対照試験です。過体重の閉経前女性311人を4つのダイエットグループに無作為に割り付け、12か月間追跡しました。

比較した4種のダイエット:

ダイエット特徴主な制限
Atkins(アトキンス)超低炭水化物・高脂肪糖質を極限まで制限
Zone(ゾーン)炭水化物40%・タンパク質30%・脂質30%バランス型
LEARN米国の低脂肪ガイドラインに従う脂肪を制限
Ornish(オーニッシュ)超低脂肪・菜食ベース脂肪を10%以下に

アトキンス食は「最も体に悪い」として当時の医師から敬遠されていたダイエット法です。その食事法が、脂肪を厳しく制限する健康的とされるダイエットより優れた結果を出しました。

なぜ脂肪を食べた人が最も痩せたのか

12か月後の体重変化:

  • アトキンス:-4.7kg
  • LEARN:-2.6kg
  • Ornish:-2.2kg
  • ゾーン:-1.6kg(最小)
12か月後の体重変化(A TO Z研究)
アトキンス-4.7kg
最大の減少
LEARN-2.6kg
Ornish-2.2kg
ゾーン-1.6kg
最小

アトキンス食グループはHDLコレステロール(善玉)の上昇率も最大で、血圧の改善度も他のグループと同等か上回っていました。「脂肪を食べると心臓に悪い」という常識とは異なる結果です。

体重が最も落ちた理由として研究者が指摘するのは、インスリンと食欲の関係です。糖質を大幅に制限するとインスリンの分泌が抑制され、脂肪の分解が進みやすくなります。また糖質を制限した食事はタンパク質・脂質の割合が増え、満腹感が持続するため、カロリーが自然に減少しました。

「体に悪い食事法」が勝った理由を再考する

オーニッシュ食やLEARN食は、1990年代〜2000年代の医学界が推奨していた「理想的な食事」でした。脂肪を減らすことが心臓病予防・体重管理の正解とされていた時代です。

しかしA TO Z研究の結果は、この前提に疑問を投げかけました。

なぜ低脂肪食の成績が悪かったのか?

脂肪を減らすと炭水化物(特に精製された糖質)が増える傾向があります。パンやご飯、フルーツジュースで空腹を補うことで、血糖値スパイクが繰り返され、インスリンが頻繁に分泌されます。インスリンは脂肪の分解を抑制するホルモンであるため、低脂肪食が逆に太りやすい体を作るケースがあるのです。

また、脂肪は満腹感の持続に重要な役割を果たします。極端な低脂肪食は空腹感が続き、長期間の継続が難しくなります。

アトキンス食にはどんなリスクと限界があるのか

A TO Z研究の結果はアトキンス食を「最善」と結論づけるものではありません。

  • 食物繊維の不足:炭水化物制限により全粒穀物・豆類・フルーツが制限され、食物繊維が不足しやすい
  • 腸内環境への影響:食物繊維不足は腸内細菌に悪影響を与える可能性がある
  • 長期データの不足:12か月の研究では、5年・10年の健康への影響は評価できない

この研究の後にGardner教授自身が行ったDIETFITS研究(2018年)では、「食事の質」を統制すると低炭水化物と低脂肪で差がなくなることが示されています。つまり、重要なのは「糖質か脂肪か」ではなく「何を食べるか」の質の問題です。

見落とされがちな「脱落率」とは何か

「アトキンスが最も痩せた」という結果には、報じられにくい重要な事実があります。12か月の脱落率です。

ダイエット脱落率
アトキンス47%
LEARN29%
ゾーン35%
オーニッシュ50%
12か月の脱落率
オーニッシュ50%
アトキンス47%
ゾーン35%
LEARN29%

アトキンス食は12か月で半数近くが脱落しています。「最も痩せた」は完走できた人の中での結果であり、脱落した人を含めた「始めた全員の平均」で見ると差は縮まります。超低脂肪のオーニッシュ食も脱落率50%と高く、極端な制限食を続けることの難しさを示しています。

さらに、アトキンス食グループの実際の摂取カロリーは12か月後で約1,500〜1,600kcal、糖質は約30〜40g/日でした。「脂質は無制限」という理論通りには食べておらず、脂肪による満腹感で総カロリーが自然に抑えられていた可能性があります。

長期追跡では結果はどうなったのか

その後の追跡では、アトキンス食グループの体重は12か月時点から1〜2kg戻り、グループ間の差は縮まりました。別の長期研究(Greenberg et al., 2009)でも、18か月後には低炭水化物食と低脂肪食の体重差がほぼなくなることが確認されています。

「短期では糖質制限が有利、長期では差がなくなる」——これがA TO Z研究を含む比較研究に共通するパターンです。

どのダイエットが向いているかの選び方

A TO Z研究が教えるのは「唯一の正解はない」ということです。アトキンス食が平均では勝ったものの、個人差は大きく、オーニッシュ食で最もよく痩せた参加者もいました。

実際に選ぶときのポイント:

  1. 米・パンを食べると止まらない人 → 低炭水化物食が向いている可能性
  2. 油っこいものが苦手・消化が重い人 → 低脂肪食の方が続きやすい
  3. どちらかの食事を長期継続できるか → 続けられる方が結局最も効果的

どのダイエット方法が自分に合うかは、食の好み・ライフスタイル・体質によって異なります。

よくある質問

Q. アトキンス食は誰にでも効果がありますか?

A. 全員に効果があるわけではありません。A TO Z研究でもオーニッシュ食で最もよく痩せた参加者がいました。米・パンを食べると止まらない人には低炭水化物食が向いていますが、油っこいものが苦手な人には低脂肪食の方が続きやすい場合があります。

Q. 低脂肪食はなぜ成績が悪かったのですか?

A. 脂肪を減らすと炭水化物(特に精製糖質)が増える傾向があり、血糖値スパイクが繰り返されてインスリンが頻繁に分泌されます。インスリンは脂肪分解を抑制するホルモンであるため、低脂肪食が逆に太りやすい体を作るケースがありました。

Q. A TO Z研究の結果は長期的にも当てはまりますか?

A. 12か月の研究であるため、5年・10年の長期影響は評価できません。その後Gardner教授が行ったDIETFITS研究(2018年・609人)では、食事の質を統制すると低炭水化物と低脂肪で体重差がなくなることが示されています。

Q. アトキンス食を始めれば必ず痩せますか?

A. 平均-4.7kgという数字は12か月継続できた人の結果で、アトキンス群は47%が脱落しています。また研究は医療チームのサポートがある環境での実施であり、独学での実践とは継続率が大きく異なります。

この記事のまとめ

  • スタンフォード大学A TO Z研究(311人・12か月)で、最も脂肪を食べるアトキンス食グループが最大の体重減少(-4.7kg)を達成した
  • 医師が推奨していた低脂肪食(LEARN・Ornish)は、アトキンス食に及ばなかった
  • 脂肪制限より糖質制限が体重減少に有利だった理由は、インスリン抑制と満腹感の持続
  • ただしアトキンス群は脱落率47%と最も高く、長期追跡では4グループの体重差はほぼ消えた
  • 重要なのは「糖質か脂肪か」ではなく、選んだ食事法を継続できるかという食事の質と実行性

参考資料

  • Gardner CD et al. "Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women: The A TO Z Weight Loss Study" JAMA (2007)
  • Greenberg I et al. "Adherence and success in long-term weight loss diets: the dietary intervention randomized controlled trial" Journal of the American Dietetic Association (2009)
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
  • 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」

※ 本記事の情報は一般的な健康・栄養知識の提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。 持病や治療中の方は、必ず医師・専門家にご相談ください。 本記事は編集ポリシーに基づき、一次情報と照合のうえ制作しています。

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