コラム
和食を続けると太らない理由。日本食スコアと肥満率の国際比較研究食品・食事

和食を続けると太らない理由。日本食スコアと肥満率の国際比較研究

豆・魚・野菜・味噌汁・漬物・海苔・緑茶から成る「日本食スコア」が高いほど肥満率が低く心疾患リスクも下がることが国際比較研究で確認されています。日本食が持つ科学的なダイエット効果と実践のポイントを解説します。

diet-app.jp 編集部·2026-05-12·7分で読める

豆・魚・野菜・味噌汁・漬物・海苔・緑茶から成る「日本食スコア」が高いほど肥満率が低く心疾患リスクも下がることが国際比較研究で確認されています。日本食が持つ科学的なダイエット効果と実践のポイントを解説します。

「和食を食べると痩せる」は本当なのか

「日本食は健康的」「和食で長寿」という話はよく聞きます。しかし「なぜ」「何が」健康に良いのかは意外と知られていません。

単に「ヘルシーなイメージ」なのか、それとも科学的な根拠があるのか——複数の国際比較研究が、和食の具体的な効果を数値で示しています。

「日本食スコア」とは何か

複数の研究で使われる「伝統的日本食スコア(Traditional Japanese Diet Score)」は、以下の食品の摂取頻度・量を点数化したものです。

食品カテゴリ代表食品
豆製品豆腐・納豆・味噌・豆乳
魚介類青魚・白身魚・貝類
海藻わかめ・昆布・海苔・ひじき
野菜(特に緑黄色)ほうれん草・にんじん・かぼちゃ
漬物・発酵野菜ぬか漬け・たくわん・梅干し
味噌汁毎日摂取
米(主食)白米または雑穀米
緑茶毎日摂取

このスコアが高いほど「伝統的な和食に近い食生活」をしていることを意味します。

国際比較研究が示したこと

*Nutrients*誌に掲載された国際比較研究(Abe et al., *PMC*, 2021)では、日本食スコアと各国の肥満率・心疾患リスク・健康寿命の関係を分析しました。

  • 日本食スコアが高い国・地域ほど、肥満率が有意に低い
  • 虚血性心疾患(心筋梗塞など)の発症率が低い
  • 健康寿命(病気なく過ごせる年数)が長い

また同様のデータを用いた別の研究(*Nutrients*, 2022)では、日本式の食事パターンが心血管疾患による死亡率を低下させることをメタ分析で確認しています。

なぜ和食は体重管理に有利なのか

和食が肥満予防に機能する理由は、ひとつの「魔法の食材」があるからではなく、食事全体の構成にあります。

和食が体重管理に有利な5つの理由
  1. 1
    食物繊維が豊富
    満腹感が持続する
  2. 2
    発酵食品
    腸内環境を整える
  3. 3
    青魚のオメガ3
    炎症を抑える
  4. 4
    加工食品・精製糖質が少ない
    血糖の乱高下や過食を防ぐ
  5. 5
    薄味文化
    添加物への依存が少ない

①食物繊維が豊富で満腹感が持続

海藻・野菜・豆類・こんにゃくなど、食物繊維の豊富な食材が多い。食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、消化をゆっくりにして満腹感を延ばします。

②発酵食品が腸内環境を整える

味噌・納豆・漬物・醤油などは腸内の有益な細菌を増やし、短鎖脂肪酸の産生を促して代謝を改善します(→日本人の腸内細菌の記事を参照)。

③青魚のオメガ3が炎症を抑える

マグロ・サバ・イワシ・サンマなどの青魚に含まれるEPA・DHAは全身の炎症を抑え、インスリン感受性を改善します。慢性炎症は肥満・内臓脂肪蓄積と密接に関連します。

④加工食品・精製糖質が少ない

伝統的な和食は超加工食品・精製糖質・飽和脂肪の摂取が少ない。これらが腸内細菌叢の乱れ・血糖値の乱高下・過食を引き起こすことは多くの研究で示されています。

⑤調理の「薄味」文化が塩分以外の添加物を減らす

だし(昆布・かつお)を使って旨味を出す和食の調理法は、砂糖・脂質・人工添加物への依存が少なく、自然な食材の風味で満足感を得やすい。

現代の日本人が失いつつあるものとは何か

現代日本人の食生活の西洋化は進んでいます。ファストフード・菓子パン・カップ麺・加糖飲料の消費が増え、日本食スコアは特に若い世代で低下傾向にあります。

国民健康・栄養調査の経年データを見ると、魚の消費量は1980年代に比べて大幅に減少し、代わりに肉類の消費が増加しています。「和食の国」というイメージと、実際の日本人の食生活の間には大きなギャップがあります。

「完全な和食」でなくてもよい理由とは何か

日本食スコアを上げるために、完全な和食生活に戻す必要はありません。現在の食生活に以下の要素を加えるだけでスコアは改善します。

  • 毎朝の味噌汁(インスタントでも可)
  • 週3回の魚料理
  • 毎日の納豆または豆腐
  • 副菜にわかめ・ひじき・きのこを加える
  • 緑茶をコーヒーの代わりに1杯

まとめ

和食が肥満予防に機能するのは、単一の「魔法の食材」ではなく、食物繊維・発酵食品・青魚・低加工という食事全体の構成によるものです。国際比較研究は、日本食スコアが高いほど肥満率・心疾患リスクが低く、健康寿命が長いことを示しています。「完全な和食」でなくても、味噌汁・魚・納豆を日常に取り戻すことが、科学的に根拠のある体重管理の方法です。


参考文献

  • Abe, S. et al. (2021). Traditional Japanese Diet Score — Association with Obesity, Incidence of Ischemic Heart Disease, and Healthy Life Expectancy in a Global Comparative Study. *Nutrients*, 13(10), 3518.
  • Murakami, K. et al. (2022). Japanese-style diet and cardiovascular disease mortality in Japan: a systematic review and meta-analysis. *Nutrients*, 14(20), 2008.
  • Wirt, A., & Collins, C. E. (2009). Diet quality: what is it and does it matter? *Public Health Nutrition*, 12(12), 2473–2492.

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よくある質問

Q. 和食を続けると本当に痩せますか?

A. 和食スコアが高いほど肥満率が低く心疾患リスクが下がることが国際比較研究で確認されています。カロリー計算なしでも伝統的な和食の構成が自然な体重管理につながります。

Q. 毎日完全な和食を作るのは難しいです。どこから始めればいいですか?

A. インスタント味噌汁を毎朝・週3回の魚料理・毎日の納豆から始めることが最も手軽です。完全な和食に変えなくても日本食スコアを上げることで恩恵が得られます。

Q. 和食はカロリーが低いのですか?

A. 単純にカロリーが低いというより食物繊維が多く満腹感が持続し超加工食品への依存が少ないという特性があります。これらが自然な食欲コントロールをもたらします。

この記事のまとめ

  • 日本食スコア(豆・魚・野菜・味噌汁・漬物・海苔・緑茶)が高いほど肥満率が低く心疾患リスクが下がります
  • 和食が肥満予防に機能するのは食物繊維・発酵食品・青魚・低加工という食事全体の構成によるものです
  • 完全な和食でなくても味噌汁・魚・納豆を日常に取り戻すだけで科学的に根拠のある効果が得られます
  • 現代日本人の食生活の西洋化が日本食スコアを低下させ肥満率上昇に寄与しています

※ 本記事の情報は一般的な健康・栄養知識の提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。 持病や治療中の方は、必ず医師・専門家にご相談ください。 本記事は編集ポリシーに基づき、一次情報と照合のうえ制作しています。

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