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深呼吸5分で血圧が下がる。自律神経と血圧の科学的な関係

深呼吸5分で血圧が下がる。自律神経と血圧の科学的な関係

深呼吸で血圧が下がるのは、1分間10回以下の遅い呼吸を続けた場合です。17件の試験をまとめた2019年の解析で収縮期血圧は平均5.62mmHg低下し、高血圧の人が8週間で合計180分以上続けた試験では15.0mmHg低下しました。仕組みと実践法を解説します。

diet-app.jp 編集部·2026-05-12·更新日 2026-10-03·5分で読める

深呼吸で血圧が下がるのは、1分間10回以下の遅い呼吸を続けた場合です。17件の試験をまとめた2019年の解析で収縮期血圧は平均5.62mmHg低下し、高血圧の人が8週間で合計180分以上続けた試験では15.0mmHg低下しました。仕組みと実践法を解説します。

結論:1分間10回以下の遅い呼吸を続けると、収縮期血圧が平均5.62mmHg下がることが、17件の試験をまとめた2019年の解析で示されています。高血圧の人が8週間で合計180分以上続けた試験では、15.0mmHg下がりました。4秒で吸い、6〜8秒で吐く方法を、朝と就寝前に行います。

なぜ呼吸を変えるだけで血圧が下がるのか

「血圧を下げるには薬か運動」というイメージがありますが、呼吸のパターンを変えるだけで血圧が下がることが研究で確認されています。研究で使われているのは、1分間10回以下の遅い呼吸です。

深呼吸が血圧を下げるのはどんなメカニズムか

副交感神経を優位にする

呼吸は自律神経と密接に関連しています。素早い浅い呼吸は交感神経(血圧を上げる側)を刺激し、ゆっくりした深い呼吸は副交感神経(血圧を下げる側)を活性化します。

横隔膜を使った腹式呼吸で息を長くゆっくり吐くと、迷走神経が刺激され副交感神経が優位になります。副交感神経が活性化すると心拍数が減り、血管が拡張し、血圧が下がります。

一酸化窒素(NO)の産生促進

深呼吸によって鼻呼吸が増えると、鼻腔粘膜から一酸化窒素(NO)が産生されます。NOは血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる物質です。

研究が示す深呼吸の効果はどれほどか

Elliottら(*Journal of Clinical Hypertension*, 2004)は、高血圧の外来患者149人(平均59歳)を、遅い呼吸を誘導する機器を渡す群と家庭血圧の測定だけを行う群に分けて8週間追跡しました。機器を使った人を8週間の合計時間で分けると、180分以上続けた人の診察室での収縮期血圧は平均15.0mmHg、180分未満の人は7.3mmHg低下しました。家庭血圧を測るだけの群も9.2mmHg低下しています。つまり15mmHgは、合計180分以上続けた人に限った値です。180分は、8週間(56日)で割ると1日あたり約3分に当たります。

2019年に*Complementary Therapies in Medicine*に掲載されたメタ分析は、1分間10回以下の遅い呼吸を1回5分以上、週3日以上、4週間以上続けた17件の試験をまとめています。高血圧または高血圧前症の人を対象に、収縮期血圧は平均5.62mmHg、拡張期血圧は平均2.97mmHg低下しました。Elliottらの15.0mmHgは高血圧の人で続けた時間が長かった群の値、5.62mmHgは17試験の平均値で、条件が異なります。

効果的な深呼吸の方法(4-6呼吸法)

  1. 楽な姿勢で座る(または横になる)
  2. 4秒かけて鼻から吸い込む(お腹が膨らむように)
  3. 6〜8秒かけてゆっくり口から吐く
  4. これを5〜10分間続ける

1日2回(朝と就寝前)5〜10分を目安にします。上記のメタ分析の基準は、1回5分以上・週3日以上・4週間以上です。

深呼吸が血圧に与える効果の大きさはどれほどか

深呼吸だけで血圧が大きく下がるわけではありません。17試験の平均低下幅は収縮期5.62mmHg、拡張期2.97mmHgです。メタ分析の著者らは、遅い呼吸は、薬を始めたくない低リスクの高血圧・高血圧前症の人にとって、最初の選択肢になりうると結論しています。

よくある質問

Q. 深呼吸だけで高血圧を治すことはできますか?

A. 深呼吸だけで高血圧が治るとは言えません。17試験をまとめた解析では、収縮期血圧が平均5.62mmHg下がりました。服薬中の人や血圧が高いと指摘された人は、呼吸法を始める前に医師へ相談してください。

Q. 1分間に何回呼吸すればよいですか?

A. メタ分析が対象にした条件は、1分間10回以下です。4秒で吸い6〜8秒で吐く呼吸は、1回が10〜12秒なので、1分間に5〜6回になります。

Q. 深呼吸はいつ行うのがよいですか?

A. 時間帯による効果の差を比べた研究は、この記事では確認していません。メタ分析の基準は1回5分以上・週3日以上・4週間以上です。朝と就寝前の1日2回は、続けやすい時間帯の例です。

この記事のまとめ

  • 1分間10回以下の遅い呼吸で、収縮期血圧は平均5.62mmHg、拡張期は平均2.97mmHg低下した(17試験のメタ分析、2019年)
  • 高血圧の人が8週間で合計180分以上続けた試験では収縮期血圧が15.0mmHg低下し、180分未満の人は7.3mmHgだった(Elliott 2004)
  • 4秒で吸い6〜8秒で吐く呼吸を、朝と就寝前に5〜10分行うのが実践の目安

参考文献

  • Elliott, W. J. et al. (2004). Graded blood pressure reduction in hypertensive outpatients associated with use of a device to assist with slow breathing. *Journal of Clinical Hypertension*, 6(10), 553–559. PubMed
  • Device and non-device-guided slow breathing to reduce blood pressure: A systematic review and meta-analysis. *Complementary Therapies in Medicine* (2019). PubMed

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参考文献・出典

  1. PubMed(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)
  2. PubMed(pubmed.ncbi.nlm.nih.gov)

※ 本記事の情報は一般的な健康・栄養知識の提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。 持病や治療中の方は、必ず医師・専門家にご相談ください。 本記事は編集ポリシーに基づき、一次情報と照合のうえ制作しています。

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