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ハーバードが出した答え。どの栄養素を減らしても2年後の体重は同じだった

ハーバードが出した答え。どの栄養素を減らしても2年後の体重は同じだった

タンパク質・脂質・炭水化物の比率を変えた4種のダイエットを2年間追跡したハーバードのPOUNDS LOST研究(811人)。どの組み合わせも2年後の平均体重減少は約-4kgで統計的に差なし。栄養素より継続が体重を決めると示した。

diet-app.jp 編集部·2026-08-25·更新日 2026-08-31·7分で読める

タンパク質・脂質・炭水化物の比率を変えた4種のダイエットを2年間追跡したハーバードのPOUNDS LOST研究(811人)。どの組み合わせも2年後の平均体重減少は約-4kgで統計的に差なし。栄養素より継続が体重を決めると示した。

脂肪・タンパク質・炭水化物の比率をどう変えても、2年後の体重減少はほぼ同じだった。ハーバード大学のFrank Sacks教授らが2009年にNew England Journal of Medicineに発表したPOUNDS LOST研究は、「何を減らすか」より「どれだけ続けるか」が体重を決めることを示しました。

ハーバードのPOUNDS LOST研究とはどんな研究だったのか

POUNDS LOST研究(Sacks et al., NEJM, 2009)はハーバード大学公衆衛生大学院とブリガム・アンド・ウィメンズ病院が主導した大規模な無作為化対照試験です。過体重・肥満の成人811人を対象に、4種のダイエット食をランダムに割り付け、2年間追跡しました。

4種のダイエット(脂肪・タンパク質・炭水化物の比率):

グループ脂肪タンパク質炭水化物
A低脂肪(20%)普通(15%)高(65%)
B低脂肪(20%)高(25%)中(55%)
C高脂肪(40%)普通(15%)中(45%)
D高脂肪(40%)高(25%)低(35%)
4グループの炭水化物比率(これだけ違っても結果は同じ)
グループA65%
低脂肪・普通タンパク
グループB55%
低脂肪・高タンパク
グループC45%
高脂肪・普通タンパク
グループD35%
高脂肪・高タンパク

すべてのグループで1日750kcalの赤字を目標とし、グループカウンセリングを提供しました。

2年間の追跡でどんな驚くべき結果が出たのか

6か月後の体重減少:全グループ平均 -6kg

2年後の体重減少:全グループ平均 -4kg(リバウンドを含む)

4グループ間の差は統計的に有意ではありませんでした。つまり、脂肪を20%にしても40%にしても、タンパク質を15%にしても25%にしても、2年後の体重変化はほぼ同じだったのです。

体重減少の推移(全グループ平均)
6か月後6kg
2年後4kg
リバウンドを含む

この結果から導かれる結論は明確です。

「何の栄養素を減らすか」より「カロリーをどれだけ継続して減らせるか」が体重を決める。

最も体重が減った人に共通していたことは何か

研究者が特に注目したのは、グループ内の個人差です。同じダイエットを割り付けられても、結果は-20kgから+5kgまで大きく異なりました。

体重減少が大きかった人の共通要因として最も強く関連していたのが、グループカウンセリングへの参加回数でした。月1回以上参加した参加者は、月1回未満の参加者より約3倍の体重減少を達成しました。

次に関連したのは食事の記録をつけることでした。研究によると、食事記録をつけた人は記録しない人と比べて体重減少量が2倍以上になることが示されています。

栄養素の比率よりも、継続をサポートする行動習慣の方が体重に影響したのです。

「炭水化物制限vs脂質制限」論争にハーバードはどう答えたのか

この研究はいわゆる「糖質制限vs低脂肪食」論争に、重要な視点を加えます。

短期(3〜6か月)では、低炭水化物ダイエットの方が脂肪燃焼・体重減少で優れる場合があります。しかし2年スパンで見ると、その差は消えます。

理由は2つです:

  1. アドヒアランス(継続率)の問題:厳しい糖質制限は長期的に継続困難になりやすい
  2. 適応的熱産生:どのダイエット法でも体が慣れると代謝が抑制される

つまり、「最初に効くダイエット」と「長期的に効くダイエット」は別の問題です。

ハーバードが教える「2年間継続できる」食事の設計

POUNDS LOST研究の知見を実践に落とし込むと:

優先すべきは栄養素の比率ではなく:

  • 今の食習慣から毎日100〜200kcalを無理なく減らせるか
  • 好みに合った食品を中心に構成できるか
  • 外食・忙しい日でも崩れにくいルールか

コンビニ食でダイエットを続ける方法や外食の工夫のように、日常生活に組み込める形にすることが、2年後の結果を左右します。

よくある質問

Q. 糖質制限と脂質制限ではどちらが痩せやすいですか?

A. 短期(3〜6か月)では低炭水化物食が有利なケースがありますが、POUNDS LOST研究では2年後に差がなくなりました。最も重要なのは栄養素の比率ではなく、1日750kcalの赤字を継続できるかどうかです。

Q. 体重が同じになる理由は何ですか?

A. どの食事法でも体が慣れると代謝が抑制(適応的熱産生)されること、また厳しい食事制限ほど長期継続が難しくなってリバウンドが起きやすいためです。継続率(アドヒアランス)が2年後の体重差を生む最大の要因です。

Q. グループカウンセリングとは何ですか?自宅でできますか?

A. POUNDS LOST研究のグループカウンセリングは食事記録の共有・継続サポートが目的でした。月1回以上参加した人は、月1回未満の人より約3倍の体重減少を達成しています。自宅では食事記録アプリを使うことが、同様の効果を持つと考えられます。

この記事のまとめ

  • ハーバードPOUNDS LOST研究(811人・2年間)で、脂肪・タンパク質・炭水化物の比率を変えた4種のダイエットは2年後の体重減少に有意差なし
  • 6か月で平均-6kg、2年後は-4kgとなり、どのグループもリバウンドが一定程度起きた
  • 最も体重が減った人の共通点は「グループカウンセリング参加回数が多い」こと(栄養素の比率ではない)
  • 「何を減らすか」より「750kcal赤字を継続できるか」が体重を決めた
  • 長期的なダイエット成功には、好みに合った食事法を選び継続をサポートする習慣が重要

参考資料

  • Sacks FM et al. "Comparison of Weight-Loss Diets with Different Compositions of Fat, Protein, and Carbohydrates" N Engl J Med (2009)
  • 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

※ 本記事の情報は一般的な健康・栄養知識の提供を目的としており、医療アドバイスの代替となるものではありません。 持病や治療中の方は、必ず医師・専門家にご相談ください。 本記事は編集ポリシーに基づき、一次情報と照合のうえ制作しています。

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